CBDとは?

CBDが出来るまでの過程について解説します。

  • CBDの概要はわかったけど、実際にどうやって作られるの?
  • CBD製品を買ってみようと思うけど、いろんな製法があって違いがわからない
  • 原料ってどのくらいの種類があるの?

CBDの名前を聞いたことがある人は多いと思いますが、実際に出来るまでの過程や製法について知っている人は多くないはずです。ということは気になっている人も多いはずです。

この記事では、実際にCBDがどのようにして出来るのか、またその製法等についてまとめています。
製法がわかれば、製品の見極めも可能となり、自分に合ったCBD製品を手にすることができるようになります。

最後まで読めば、CBD業者が溢れている中で、より安全な製品を選ぶことができるようになります。

CBDはどのようにして作られるのか?

 CBD製品を購入するのにあたって、その原料がどこから来たのか、どのように抽出されたのか、そして、製品化するまでの過程を知ることがポイントとなります。

 製品の品質に影響するのは、その原料がどこで栽培されたヘンプなのかはかなり重要となってきます。品質にこだわる栽培農家は、ワイン農家が葡萄が育つ土壌の特徴を語るように、テロワール(風土の、その土地の個性の)という言葉を口にするくらいです。
なので、高品質な製品を選ぶ場合は、栽培された場所を確認して見てください。

 CBDの抽出方法は、その製造会社にもよりますが、抽出・加工・精製の方法も出来上がる製品の品質や純度に大きな影響を及ぼします。テクノロジーの発達により、水溶性のCBDを精製することが可能となり、飲料にCBDを含んだ製品を作れるようになりました。

 CBDは、トリコームという大麻植物の花や葉の表面にある微小な突起物で、植物からカンナビノイドやテルペンなどの化学物質が分泌される場所にあります。トリコームは、視覚的にも見ることができ、白やクリア、黄色、オレンジ色などの色をしていることがあります。CBDを含む大麻植物のトリコームから、CBDオイルやCBD製品の原料として利用されるCBDが抽出されることがあります。トリコームには、CBD以外にもTHCやその他のカンナビノイド、テルペン、フラボノイドなども含まれています。
トライコームは大麻草のリンパ腺のようなもので、薬効のある成分を産出します。

 大麻草は樹脂の少ない花穂(バッズ)をつける産業用ヘンプと、樹脂が多めの花穂をたくさんつける医療用のヘンプの2種類に分かれます。
この油性の樹脂は、大麻草を熱や紫外線から護り、抗菌作用、殺虫作用があり、虫、鳥、その他の動物から捕食されるのを防ぎます。

CBDの原料

 CBDの原料となるのは、大麻草の樹脂を多く含んだトライコームです。そこからCBDオイルを抽出します。大麻草やヘンプにはワインのように様々な品種があり、トライコームに含まれるCBDの量はその品種によって異なります。花穂に含まれるトライコームが多ければ多いほど、より多くのCBDを抽出できます。

 原料として最も良いとされているのは、有機栽培された高樹脂の品種で、乾燥した時の重量で、CBDの含有量が20%程度だそうです。
しかし、このような品種はアメリカの法律で規定されているTHCの濃度を若干上回ってしまうのが、ヘンプ農家が抱える問題で、課題としてはできる限り多くのCBDを含み、かつTHCの濃度を0.3%を超えない品種を育てることです。

 先にあげた産業用のヘンプは繊維、種子から取れる油(花穂と葉カラ抽出される油とは別のもの)のために栽培されるため、また、以下の理由からCBDの採取には向いていない原料となります。

  1. 産業用のヘンプは高樹脂の品種と比べ、CBDの含有量が少ないので、大量の原料が必要となり、それは汚染のリスクが高まります。汚染のリスクというのは、ヘンプは土壌の毒物を吸い上げるのが特徴で、農家にとってはメリットですが、体内に入れる製品としては向かないのです。
  2. 産業用ヘンプは殺虫剤等により汚染されているため、そこから抽出されるCBDオイルは良質なオイルとは言えないためです。
  3. 樹脂の少ない産業用ヘンプには、高樹脂の大麻草のように薬効のあるテルペンや、マイナーカンナビノイドが含まれていません。CBDはアントラージュ効果(他の成分と一緒に摂ることにより得られる相乗効果)を得ることが出来ません。
    購入するCBD製品の原料がどういう種類の大麻草かを知ることは必ずしも知ることはできませんが、中にはその情報が表記されている製品もあります。
    できるだけ多くの情報を惜しみなく提供してくれている会社の製品を選べるようになるとより安全にCBD製品を楽しむことができると思います。

CBDの抽出方法

 抽出する目的は、CBDをはじめとする有益な成分を濃縮された形で使えるようにすることです。
成分が抽出された後、CBDオイルは精製されて、エディブル、ベープオイル、カードリッジ、飲料等に加工され販売されます。

 CBDオイルの抽出方法には様々な方法があり、それぞれメリットデメリットがあり、安全性と効果にも差が出ます。そのいくつかの方法を紹介します。

CO2抽出法

 CO2抽出法は、CBDを含む植物から有用な成分を取り出す方法の一つです。この方法では、高圧下でCO2ガスを液化させて植物の原料に注入します。その後、CO2は温度や圧力の変化によって液体や気体に変化し、植物からCBDを含む有用な成分を抽出します。

 この方法は、一般的に他の抽出方法よりも高品質で純度の高いCBDを得ることができるとされています。また、CO2は安全で環境に優しいため、製造プロセスにおいて副産物を排出する心配がありません。ただし、この方法は機材が高価であるため、一般的に製造コストが高くなる傾向があるというデメリットがあります。

 高圧下とは、物質に非常に高い圧力をかけることを指します。例えば、通常の大気圧は101.325キロパスカル(kPa)ですが、高圧下では数十万kPaや数百万kPaにも達することがあります。このように高圧下にすることで、物質の性質や構造を変化させたり、化学反応を促進させたりすることができます。高圧下は、素材加工や材料研究、化学合成、地球内部の物質研究など、多くの分野で利用されています。

溶媒抽出法

 CBDを含む植物材料を特殊な溶媒で処理して、CBDを抽出する方法です。この方法では、植物材料からCBDを効率的に抽出できます。

 一般的には、エタノールやブタノールといった有機溶媒が使用されます。これらの溶媒は、CBDを含む植物材料を浸すことで、CBDを溶解し、植物材料から分離することができます。その後、溶媒中のCBDを分離するために、蒸発や冷凍濃縮などの処理が行われます。

 この方法は、比較的簡単で安価にCBDを抽出できることが利点です。ただし、溶媒を使用するため、CBD以外の成分も抽出される可能性があるため、抽出物の純度を確保するためにさらなる処理が必要になる場合があります。また、安全性に関しても、溶媒自体が残留する可能性があるため、適切な処理が必要です。

炭化水素による抽出

 炭化水素による抽出法は、CBDを含む植物素材を処理する方法の一つで、炭化水素(ヘキサンやブタンなど)を使ってCBDを抽出する方法です。この方法は、低コストで比較的簡単にCBDを抽出できることが特徴です。

 まず、CBDを含む植物素材を炭化水素に浸し、CBDを溶かします。次に、この混合物を加熱することで、炭化水素を蒸発させます。蒸発することで、CBDが残り、純粋なCBDを得ることができます。

 しかし、この方法にはいくつかの欠点もあります。炭化水素は引火性があるため、扱いには十分な注意が必要です。また、炭化水素は有毒であるため、CBD抽出後に完全に除去する必要があります。このため、製造過程での残留物の可能性があるため、品質にも注意が必要です。

CBD製品の種類

 CBDを抽出した後に精製、加工され製品となります。製品はさまざまな種類があり、一般的に以下の種類に分けられます。

  • アイソレート
  • ブロードスペクトラム
  • フルスペクトラム

以上の種類に分類されますが、それぞれどのような種類の製品か説明していきます。

アイソレート

 CBDアイソレートは、大麻植物からCBDを単離・精製した製品です。CBDアイソレートは、他の成分を含まずに、99%以上の純度でCBDを含有しています。他のCBD製品に比べて、より高いCBD濃度を持ち、他の成分が欲しくない場合に選択されることが多いです。CBDアイソレートは、多くの場合、結晶状の粉末として提供され、飲み物、食品、サプリメント、トッピングなどに使用されることがあります。

ブロードスペクトラム

 CBDブロードスペクトラム製品は、CBDアイソレートに比べ、より多くの植物成分を含むCBD製品です。ブロードスペクトラム製品には、CBD以外にもテルペン、フラボノイド、カンナビノイド、などの植物成分が含まれます。これらの植物成分は、CBDの効果を増強することができます。

 CBDアイソレート製品を溶媒に溶かして、他のカンナビノイドやテルペンと合わせ、ブロードスペクトラムもどきのような製品も存在するようです。本当のブロードスペクトラム製品に比べると効果は大きくないですが、多少のアントラージュ効果を得ることが出来ます。

フルスペクトラム

 CBDフルスペクトラム製品は、大麻植物からCBDを抽出した際に、CBDだけでなく他のカンナビノイドや植物由来の化合物が含まれた製品です。フルスペクトラム製品には、テルペン、フラボノイド、および他のカンナビノイド(例えば、CBG、CBC、CBN)が含まれています。これらの化合物は、CBDと相乗効果を発揮することが知られており、製品の効果に貢献しています。フルスペクトラム製品は、他の製品に比べて、より広範囲な健康効果を持つことが示されています。しかし、THC(精神活性成分)が含まれる場合があるため、法的には規制されていますが、ヘンプ由来のものであれば、ラベルにはTHCの含有率が0.3%以下であることが表記されているはずです。

まとめ

上記のまとめです。
CBD製品を作るには、まず大麻植物からCBDを抽出する必要があります。

CBDの原料として使用される大麻植物には、大麻草とヘンプがあります。大麻草はTHC(テトラヒドロカンナビノール)が含まれているため、麻薬として規制されていますが、ヘンプにはTHCがわずかしか含まれていないため、産業用に利用されています。CBD製品は、ほとんどがヘンプ由来です。

CBDの抽出方法には、CO2抽出法、溶媒抽出法、炭化水素による抽出があります。CO2抽出法は、高圧下でCO2を使用してCBDを抽出する方法で、最も一般的な方法です。溶媒抽出法は、有機溶媒(エタノールやオリーブオイルなど)を使用してCBDを抽出します。炭化水素による抽出は、ヘキサンやブタンなどの炭化水素を使用してCBDを抽出しますが、危険性があるため、ほとんど使用されていません。

CBD製品には、アイソレート、ブロードスペクトラム、フルスペクトラムの種類があります。アイソレートは、CBDのみを抽出して純度を高めた製品です。ブロードスペクトラムは、CBD以外にも大麻植物から抽出された化合物(テルペンやフラボノイドなど)が含まれている製品で、THCは含まれていません。フルスペクトラムは、大麻植物から抽出された化合物の中で、CBD、THC、テルペン、フラボノイドなどがバランスよく含まれている製品です。

CBDの製品は、健康効果が期待できるとされており、様々な形で販売されています。しかし、CBDが含まれる製品を使用する前には、製品の成分表示や使用方法などをしっかりと確認し、適切に使用するようにしましょう。

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